2019-06-05
農家の野焼き
廃棄物の野外焼却、いわゆる野焼きは『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』により、一部の例外を除き禁止されています。その一部が、農家の野焼きです。果樹農家であれば、剪定枝や、古木の伐採した太枝などを燃やす機会が多くあります。特に新規就農者の場合、耕作放棄地で始めることが多く、そこには古い太枝が山積みになっていることが多く、野焼きは必須の作業です。
キャンプの焚き火ならともかく、大量の木を燃やす経験は普通はあまりありません。危険性を十分に認識して準備します。
【準備】
- 木はできるだけ乾燥状態にしておく。生木でも火力が強ければ燃えるが、量が多いと白い煙が出て目立つ。
- 天気予報を確認。強風警報時は不可。注意報時はできれば避ける。乾燥注意報も同じく。
- 燃やす木を積む際に、下に枯れ枝、枯れ葉を敷いて焚付にする。空気を入れる役割も果たす。木と木の間にも空間が出来るように積む。
- 所轄の消防署に電話し、野焼きの日時と場所を伝え、揚煙届けを出しておくと、火事と間違われ通報された時に騒ぎにならない。
- 万が一に備え、水をローリータンクなどにいれて用意しておく。
- 燃焼中の木を動かすための柄の長いアルミ製レーキなど。
- できれば難燃性の服、溶接手袋、顔を覆うためのマスク等を着用。私はこれくらいやります。あと水分を多めに用意。
【実施】
- 燃焼時間を確保するため、朝早くから実施。朝のほうが風も少なく安全。
- ダンボールと新聞紙を組み合わせ、周囲を囲むように4~6箇所ほど差し込み、全体から燃えるようにする。
- 同時に着火。最初の火力は大事。ここで炎が燃え上がらないと太い木は燃え尽きない。
- 一時間ほどでこの状態。上手くいった。
- 炎が落ち着いたところで(と言っても十分熱いので注意)レーキで端の方の炭を中央に寄せていく。また空気が入りやすいように移動させる。これをしないと、完全に灰にならずに炭で残ってしまう場合があり、完了まで時間がかかる。熱と戦いながらこまめに実施。
- この量で朝6:30開始、午前中には、ほぼ灰になった。水分の残った切株などがあると、1日で終わらないこともある。
【おまけ】
- 燃え尽きた灰は草木灰として、カリウム豊富で有機JAS基準でも使用可能な肥料になる。
- 表面が灰になっても、下部に炭が2~4日は熱を持つので注意。アルミホイいるで芋を包んで3時間ほど灰の中に埋めておくと美味しく焼ける。
タグ: 新規就農
関連記事