2020-02-26

オリーブ 実生

オリーブは自家結実性が低く、他品種と風媒受粉するため、結実した実の種の品種は結実した木とは異なり、謎品種で世界に一つだけの新種になります。そのため経済作物としては、通常は挿し木で繁殖します。

実生(種から芽を出して生長すること)で繁殖しないのは、もう一つの理由があり、発芽率が低く(1%程度)、生育も良くない場合があるためです。1点だけメリットがあるとすれば、素晴らしい新種(例えば病気に強く、実が大きいとか)が生まれる可能性がゼロではない、ということでしょうか。実生苗の傾向として、成長が遅い、葉が小さく、節間がせまい、枝が突き出る、などの特徴があります。つまり形が独特で面白く、オリーブ盆栽にするには向いています。

さて、可能性は低いのですが、搾油で絞った後の種は捨てるだけなので、実生を試してみました。一晩水につけるとか、ペンチで尖った部分を取るとか、発芽率を上げる諸説ありますが、もともと可能性が低いので、無駄だと(偏見で)決めつけて(ペンチ大変だし)、ざっくり果肉を取るだけにしました。

数えてないけど100個くらいです。挿し木と同じ育苗用土に播いて覆土し、ベランダに置いて、乾燥しないように水やりだけ。10月のことでした。そして先日2月中旬、1本だけ芽が出できました。取り出してポットに鉢上げしたのがこちら。

葉の形にすでにオリーブの特徴がでています。今の所1本だけなのでちょうど1%の発芽率。さらに発芽した後に枯れることも多いので気楽に育てましょう。

こちらは2018年に発芽した実生苗の2年後です。元気なのですが、やはり成長は遅い感じ。

2020/3/19 追記

その後、続々と発芽し計20個で発芽率20%。むしろうちの挿し木より確率いいじゃん!の好成績。なんでかな?と考えたところ… 先に書いたように搾油の絞りカスの種なのですが、搾油の際に実をミキサーで砕いてました。これが種の殻に適度な傷をつけて、芽(根)が種を割りやすくした可能性があります。

こんなふうに種を割って根を伸ばしてから、更に芽を種の中から出すわけです。硬い種を割るには相当力が必要で、それがオリーブの発芽率の低さの理由だとしたら、低速ミキサーで適度に実に衝撃を与える、傷をつけるのは有効なノウハウかもしれません。お試しください。


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