オリーブ挿し木 緑枝挿し
オリーブを剪定した時などの枝を活用して苗を増やします。
※研究中のため、予告なく内容を変更する場合があります。ご了承ください。
成功率は低いです。プロは80%ですが、私は今のところ10%~30%。50本全滅の場合もあります。
【緑枝挿し】
1.カット
葉の付いた細い枝を使います。
枝の長さ10㎝程度。葉を4本、最低でも1本残してカットします。長さよりは葉の位置を優先してカット位置を決めます。
・親木からカットしてすぐに挿し木にしない場合は、切り口を水につけておく。遅くとも翌日中には挿し木したい。
・若芽で細く、木質化してない枝は難しい。太いほうがよさそう。
・土に埋める部分を5㎝程度のこす。
・写真のように最下部に節(葉をカットした部分)があると良いらしいが、なくても発根するのであまり気にしない。
2.水つけ、発根剤
カットしたら切り口を水につけ、2時間放置。
・やらなくても、発根するので、省略も可。8時間~一晩おくと、むしろ発根率は悪化した。
・発根剤として農薬指定されているオキシベロンを使うと、発根率はあがる。使う場合は植付け直前に2倍希釈で数秒つける。
3.植付け
パーライトなど育苗用土に3~5㎝ほど深さで植え付ける。
・水やりは1日1回、表面が乾かないようにする。
・日当たりのいい場所におく、ただし真夏など日差しが強い時期は直射日光を避ける。できれば、簡易ビニールハウスなどで湿度を高く保つ。
4.発根
春夏2ヶ月、秋冬4ヶ月程度で発根する。
・根が弱いと、抜いた時に取れてしまう。忍者熊手などで土を崩してから抜く。
・葉が全て落ちたものは基本的に発根せず枯れるので、腐らないうちに除去する。
5.鉢上げ
発根したら、2号ポットに移し替える。土は園芸用培土。
・写真の用に、挿し木の葉の脇から脇芽がでるとそれを主幹として成長していく。2ヶ月以上脇芽が出ない場合もある。じっと待つ。
11月末に挿し木をし、6月に鉢上げした苗の8月時点の成長。芽が出てからは日々成長していく。
【緑枝挿し木 試行結果】
2017年8月中旬挿し木実施、10月鉢上げ 合計1,509本
品種 | 植付数 | 発根数 | 発根率 |
シプレッシーノ | 15 | 5 | 33.3% |
ルッカ | 779 | 100 | 12.8% |
ネバディロブランコ | 360 | 19 | 5.3% |
フラントイオ | 50 | 2 | 4.0% |
ミッション | 225 | 0 | 0.0% |
マンザニロ | 80 | 0 | 0.0% |
合計 | 1,509 | 126 | 8.3% |
残念ながら発根率10%を切る惨敗。ミッションの0%響いているが、やり方に大きな差はなし。
書籍「園芸大百科15 常緑特産果樹」によれば、ミッション60日後で70%、マンザニロ62%(P39)となっているので、ミッションが品種として低いわけではなさそう。ちなみに、同書によればオキシベロン等発根剤は10%程度発根率をあげる効果がある。逆に言うとそれくらいしかない。
2018/12/23 追記 2018年の実績
品種 | 植付数 | 発根数 | 発根率 |
アスコラーノ | 310 | 4 | 1.3% |
シプレッシーノ | 9 | 0 | 0.0% |
エンペルトレ | 83 | 1 | 1.2% |
フラントイオ | 45 | 24 | 53.3% |
ルッカ | 1,742 | 94 | 5.4% |
マンザニロ | 442 | 140 | 31.7% |
ミッション | 892 | 20 | 2.24% |
ネバディロ・ブランコ | 40 | 8 | 20.0% |
合計 | 3563 | 291 | 8.2% |
2017年の倍以上を仕掛けたが、ほぼ同じ発根率となり、載せるのが恥ずかしい結果に終わった。良かった点は、発根率の良いはずのマンザニロと、ミッションが低率ながら確保できたこと。今年の教訓としては8月以降の植付けで苦戦、200本植えて全滅ということを繰り返した。2019年は時期を選ぶか、ミニビニールハウスの遮光、扉の開閉など温度管理を気をつけたい。