2022-05-13
オリーブの実がつかない原因
オリーブに実がつかない、とご相談を受けることがあります。原因がわからないことが多いですが、いくつかお答えしていることを書いてみます。
まず、オリーブの実がつく過程は下記になります。
1.前年春夏に伸びた枝の、刃の根元から花芽が分化する。
2.開花中に受粉すると実をつける 開花は1週間ほど
3.幼果の90%は生理落果する。写真の大きな実だけが残る。
という段階で実がつくわけですが、実がつかない場合を、2つに分けます。
- 花が咲かない
- 花は咲くが、実がつかない
1.花が咲かない場合の原因
- 成長が不十分 特にポット栽培では、露地栽培と比較して成長が限定され、花芽がつきにくくなります。また前年に葉が落ちたなど不調の場合も、復活の栄養成長を優先して葉芽ばかりになります。
- 温暖な冬 1月の平均気温が10℃以下だと花芽がつかないといわれます。鹿児島県徳之島の露地オリーブを見たことがあるのですが、実がついたことがないと聞きました。
- 剪定しすぎ 前年の春夏に伸びた枝に花芽がつくので、その枝を剪定していると花芽は付きません。見慣れないと判別できないので、剪定しないのもおすすめです。
- 品種差 ミッション、シプレッシーノなどは苗の頃からでも花芽がつきますが、ルッカ、マンザニロなどは成木にならないと実が付きません。また個体差で実がつかない木もあるようです。
2.花は咲くが、実がつかない場合の原因
- 品種が1種類のみ オリーブの受粉には同時期に開花を迎える、2品種以上が必要です。風媒受粉なので、特に受粉は必要ありません。
- 受粉期の雨 風媒受粉のため、雨が続くと結実率はさがりますが、ゼロにはなりません。
といったところです。おおむね成長が不十分で花芽がつかない、のが原因と思われますが、10年以上の木でもつかないと聞くこともあり、個体差なのか、原因が分からないことも多いのです。
裏技ですが、すでに花芽がついてる苗を入手するのが、手っ取り早いです。今の季節4~5月であれば、ホームセンターなどで花芽がついている苗を見かけることあります。2種類ちがう品種を入手できれば、秋に実をつける可能性は高くなります。(100%ではないですが)
タグ: オリーブの世話
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